Tapio Wirkkala
タピオ・ヴィルカラ
タピオ・ヴィルカラ(1915ー1985)は、マルチな才能を持つデザインの天才で、現代のフィンランド工業デザインの中心人物として広く認められています。ヴィルカラの幅広いポートフォリオは、ガラスや家具、製品デザインをはじめ、彫刻や都市計画、グラフィック、さらにフィンランド国庫の紙幣の製作までにも及びます。評判が世界的になってくると、ヴィルカラは世界各地で展示会を開きましたが、彼は生まれついての世捨て人でした。彼のお気に入りの場所は、フィンランドの真ん中の深い森林地帯で、非常に辺ぴな場所にあったため、彼の山小屋まで車でも行くことができず、試作品を運ぶにはヘリコプターを使ったほどでした。彼の愛した孤独、そして工業的に製作できたり芸術作品が生み出せるたりするフォルムのインスピレーションは、自然の中にあったのです。驚くほどたくさんのものを作った経歴の中で、ヴィルカラは、ミラノ・トリエンナーレでの三度の金賞、ルニング・プライズ、プロ・フィンランディア・メダルプリンス・ユージン・メダルなど、たくさんのアワードを受賞しました。
1946年に、ヴィルカラはイッタラが協賛したコンペティションで初めてのデザイン賞を受賞し、ここから、彼のキャリアとイッタラに長く影響を与えるような、生涯にわたる関係が始まりました。ヴィルカラはイッタラのアートディレクターとなり、彼のユニークなアート構想によって、イッタラの世界的な評判が確立されました。彼の伝説的なキャリアを通じ、この比類のない才能を持ったアーティストは、イッタラのために400以上ものガラス作品を作り上げ、ウルティマ・ツーレ・シリーズやタピオ・シリーズなど、そのうちの多くは今日でも愛されています。