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ガラスの芸術: イッタラ、ダムゼル・エリシウムとのコラボレーションを発表

1881年にフィンランド南部 イッタラ村で創業以来、卓越したガラスづくりと独自性のあるデザインで知られえるフィンランドのデザインブランド イッタラは、ロンドンを拠点に活動する実験的なサウンド&ビジュアルアーティスト、ダムゼル・エリシウムとのコラボレーションを発表しました。このアーティスティックなパートナーシップにより、ダムゼル・エリシウムの前衛的な世界と、100 年以上に及ぶイッタラのクラフトマンシップが融合し、マウスブローでつくられたガラスの楽器やオブジェが誕生しました。

イッタラはクラフトマンシップ、革新性、そしてアートとしてのガラスの探求に深いこだわりを持っています。高い品質と豊富なカラーパレットで知られるイッタラのガラスは、伝統を大切にしながら、可能性を広げるというブランドの姿勢を表しています。1881年に設立されたイッタラのガラス工場は、ガラスのパイオニアとしてブランドの名声を維持する上で極めて重要な役割を果たしています。

新たにクリエイティブ・ディレクターとしてヤンニ・ヴェプサライネンを迎え、イッタラは新たな時代を迎えます。未来を大胆に見据えると同時に、クラフツマンシップにさらに力を注ぎ、ガラスのパイオニアとしての伝統を大事に守り続けていくために、イッタラガラス工場と職人たちをブランドのクリエイティブな中核を担う存在として尊重していきます。

伝統と革新の融合

イッタラはこのたび、ロンドンを拠点に活動する弦楽奏者、実験的なサウンド&ビジュアル アーティストであり作曲家であるダムゼル・エリシウムとのコラボレーションを発表します。このコラボレーションは、自由な創造性、実験的な技法という、イッタラの職人のガラスづくりのルーツに立ち戻る一歩です。
ガラス職人の専門知識と独創的で芸術的なビジョンを組み合わせることで、ガラスのものづくりの限界を押し広げ、ガラス芸術の傑作ともいえるまったく新しいオブジェを生み出すことが出来ると考えたのです。

「イッタラはアート、デザイン、そしてクラフトマンシップの融合を体現したブランドです。革新的で芸術的なコラボレーションが、イッタラの新しい時代の象徴になります。ガラスを通して遊び、実験し、芸術的な創造性を表現するアーティストを招聘して新たなガラスの芸術性を表現してもらいたい、新たな才能と密接なパートナーシップ育てたいと思っています」とヤンニ・ヴェプサライネンは語ります。

ひとつひとつ作られるガラス楽器とオブジェのオリジナル・シリーズ

ダムセル・エリシウムにとって、イッタラとのコラボレーションはガラスでアートを表現する新た挑戦でした。ヤンニ・ヴェプサライネンとイッタラのガラス工場の職人たちとの協業により、音、視覚、そして色彩の共感覚的な探求をかたちにしたガラスの楽器とオブジェの一連のシリーズを制作しました。

「私は様々な楽器の演奏者であり、作曲家でもあります。今回のイッタラとのコラボレーションでは、ガラスで美しく機能的な楽器を作るのが自然だと感じました。このシリーズのガラスのオブジェはすべて弓や息で、そしてパーカッションのように叩いて演奏することができます。また耳に当てると別世界にいるように感じられるスピーカーのようなものもあります。音楽を作ることと、ガラスのオブジェを作ることは、即興的で実験的という点で、私にとって共通しています」とダムゼルは語ります。

遊び心を表現したショーピース

コレクションにはホルンや鈴、ボトルなど有機的な形をしたいろいろなかたちがあります。大きいものでは長さ 2 メートル近く、小さいものでは高さ 20 センチほどのものまで、大きさはさまざまです。ライトライラック、ピーチピンク、赤、クリアなどいくつかの色があり、宙吹きの技法のものもあれば、型を使って成形したものもあります。「共感覚を持つ私にとって輪郭や色、かたちや音はそれぞれ結び付いています。大きな音で何かを聞くと輪郭が思い浮かぶのです。私の芸術的表現にとって、新しい方法で何かを伝えるということは大切なことです。このように素晴らしい色のガラスを使って、演奏できる楽器を作ることは夢でした。ガラスが形作られていくのを見ていると、音が聞こえてくるようでした」とエリシウムは語ります。

これらのガラスのアートピースは、2024年 2月 5日にストックホルムで開催されるイッタラのイベントで初めてお披露目され、ダムゼル・エリシウムはこのイベントでガラスの楽器を演奏します。またこのイベントのために、イッタラ村のガラスづくりの現場で作業をしながら録音したサウンドスケープを作りました。このサウンドスケープは、ガラス、吹きガラス、そしてイッタラ村のガラス工場の周辺からインスピレーションを得て制作されたものです。

イッタラ プレイ コレクションの背景にアルヴァ・アアルトの名言「遊び心を忘れずに」は、このコラボレーションにも欠かせない哲学です。「Iittala PLAY は単なるコレクションではなく、マインドセットを表現したものです。進化する創造性はIittala PLAY に影響を与えただけでなく、ダムゼル・エリシウムがガラスを再構築するためのきっかけともなりました。このアートシリーズのオブジェは、Iittala PLAY コレクションのショーピースともいえるでしょう」とヴェプサライネンは語ります。

イッタラの熟練した職人によるものづくり

吹きガラスはアートピースでもあります。イッタラ村のガラス工場では、職人たちが芸術的に実験することを奨励し、工場の炉を使って、それぞれの芸術的なプロジェクトに取り組むことをサポートしています。自由なアートピースの制作やアーティストとのコラボレーションはガラス職人の成長を促します。今回のコラボレーションでも、職人たちは自分たちの技術と専門性を高めることが出来ました。

「ガラス職人としてながく働いていても、ガラスづくりは毎日が学びです。常に新しい発見があり、素材の魅力をさらに高めてくれます」と、熟練のイッタラのガラス職人、テロ・ヴァリマーは言います。「今回のコラボレーションでは、即興と実験を通してさまざまなアートピースを制作しました。多くのものは作るのがとても難しく、このプロジェクトはガラスの特性について改めて深く考える機会を与えてくれました。」
2023年 12月 6日、「手作りガラスにまつわる知識、技術、技能」は、ユネスコの人類無形文化遺産代表リストに登録されました。イッタラはフィンランドの推薦を支援したガラスの 17 団体のひとつです。私たちは、イッタラに欠かせないガラスのものづくりが世界的に認められたことを誇りに思うと同時に、イッタラ村のガラス工場で熟練したガラス職人の技術が生み出す創造性に命を吹き込むことをさらに進めていきたいと考えています。最もユニークなデザインは、伝統的な技法が、独創的で見たことがないものを生み出すときに生まれることが多いのです」とヴェプサライネンは語ります。

ダムゼルと創り出すアートピースは3月に登場予定の新作イッタラ プレイ コレクションと同時に、ヘルシンキのエスプラナーディ通りにあるフラッグシップストアにて6アイテム各1点のみ限定販売される予定です。

3月にフィンランドに行く予定のある方は是非エスプラナーディ通りのお店にお立ち寄りください。

ダムゼル・エリシウム DAMSEL ELYSIUM

ダムゼル・エリシウムは、演奏者、実験的なサウンド&ビジュアル アーティストであり、作曲家です。

ヴォーグ誌に「ロンドンで最もスタイリッシュなエクスペリメンタル・サウンド・アーティスト」と評され、FKA ツイッグスの「タイニー・デスク・コンサート」にバイオリニストとして登場したダムゼルは、注目すべき新進の前衛アーティストでもあります。ダムゼルは、コントラバス、ヴァイオリン、ピアノなどの楽器を駆使し、これらのサウンドをフィールド・レコーディングやムーブメント、彫刻などと組み合わせることで、オルタナティブなコミュニケーションやフィジカルな空間、自然とのつながりを探求し、マルチな領域にわたる表現方法を確立しています。

最新の EP 『WHISPERS FROM ANCIENT VESSELS』は 2024 年 1 月末にリリースされました。この作品は、物語や話し方、木々や海、内なる自己といった自然界の存在との関係の物語を集めたコレクションです。
作品は再び自然とつながるための学びなおしを映し出しており、自然に対するバラ色の観察眼を取り除き、私たちは自然からは切り離せず一体として存在しているのだ、ということを思い出させてくれるものになっています。自然の美しくも暗い一面を気付かせ、オルタナティブなコミュニケーションを増幅させるために、作品は繊細で、ほの暗く、生々しいものになっています。

ダムゼルはこれまで、サウスバンク・センターやテート・モダン、V&A ミュージアムやユニオン・チャペルなど、ロンドンを代表する文化芸術施設でオーディオ・ビジュアル・ショーを行ってきました。FKA ツイッグスやセレステ、CKTRL、マット・マルチーズやロンドン・コンテンポラリー・オーケストラなど、ロンドンで活躍するミュージシャンとのコラボレーションや、シモーネ・ロシャ、ヴォーグ×グッチやバイレードといったブランドからの依頼も受けている、今注目されている若き才能です。