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70周年を迎えるティーマ – 1950年代にインスパイアされた新色がこの春登場

3月23日(水)イッタラは「ティーマ」の70周年を記念して1950年代のオリジナルカラーからインスピレーションを得た「ヴィンテージブルー」と「ヴィンテージブラウン」の2色を新色として加えます。さらに昨年日本先行で発売したニュートラルなカラーのリネン、人気のハニーやパールグレーにも新アイテムが登場します。
1952年にカイ・フランクによりデザインされたティーマ(発表当時の名称キルタ)は、北欧デザインの代表格として知られ、イッタラのデザイン哲学を体現するコレクションとして世代を超えて人々のくらしの中で愛され続けています。

アイコンの70周年記念

アニバーサリーを記念した新色、新しいカラーのヴィンテージブルーとヴィンテージブラウンは、1952年のオリジナルコレクションの色からインスピレーションを得ました。
ヴィンテージカラー2色の釉薬は、1950年代のオリジナルコレクション同様、少し透明感のある釉薬を使用しています。この透け感は、アイテムのかたちによって微妙に異なるものとなり、ひとつひとつ豊かな風合いを醸し出します。 
またティーマのサービングアイテムも新たに登場します。サラダやスープ、オーブン料理に最適な2種類のサイズのサービングボウルは、リネンとハニーで登場します。様々な用途に使いやすい16㎝スクエアプレートはリネン、ヴィンテージブルー、パールグレーの3色で登場、前菜やスナック、ディップなどをサーブするのに最適です。また、ソースやナッツ、スパイス、ハーブなどに最適な3ピースからなるサービングセットがリネンで登場しテーブルにアクセントを加えます。
  また日本料理やアジア料理に合うようにデザインされたティーマティーミにも、新色ヴィンテージブルーとナチュラルでソフトなリネンが加わります。

バランス感覚

カイ・フランクは、「フィンランドデザインの良心」として知られ、今注目されているサステナビリティ、平等、節度という概念を、革新的な目標として掲げました。そして、フィンランドデザインの象徴ティーマ(1952年にキルタとして発表され、1981年にデザイン改良し、ティーマと改名)において、テーブルウェアの新しいスタンダードを確立したのです。

サステナビリティ、平等、節度

ティーマは、サステナビリティ、平等、節度というフランクの先駆的な考えをさまざまな形で体現しています。ティーマの多機能性、シンプルなフォルム、組み合わせの自由、高い品質をもつデザインは、流行に左右されない定番コレクションとなりました。

消費と資源の活用に関してフランクが持ち続けた概念は、今日関心がもたれているものです。不必要な消費、使い捨ての文化に反対し、本質的なものを追求したフランクは、多くの点で時代を先取りしていました。 1960年代に「素材の研究は、再利用可能な素材の研究にもっと重点を置くべきだ」とフランクは述べています。(Kaj & Franck, 2011, p.50, WSOY)

そのようなフランクの考え方は日本のデザインや美学への深い関心から影響を受けていました。北欧のデザインと日本のデザインの間には合理性やシンプルなデザイン言語、自然素材への経緯など共通点があります。

3つのシンプルなかたち

フランクは、「すべての食器は、丸、四角、三角という最も基本的な形から生まれる」というシンプルなデザイン思想のもと、ティーマをデザインしました。
シンプルで普遍的な形は、流行にとらわれずに使えるというのが彼の考えでした。しかし、形状について考えるだけでなく、フランクは実際にどう使われるかに興味を持っていました。「日常品を評価するとき、人間工学的な質の高さや触ったときの感覚をより重視すべきなのです」。(Kaj & Franck, 2011, p.88、WSOY)。

フランクのビジョンに忠実に、ティーマは 多機能でスタッキングができ、丈夫、日常的に多用途に使えるアイテムで構成されています。それぞれのアイテムはオーブン、冷凍庫、電子レンジ、食洗機に対応しており、食材の下ごしらえから調理、盛り付け、食事まで、キッチンでのあらゆるシーンで活躍します。

カラフルな色合い

ティーマの色合いは、明るく鮮やかなものから繊細で落ち着いたものまで様々で幅広く、どんな用途にも合う組み合わせをつくり出すことが出来ます。単色で揃えたり、様々な色を混ぜ合わせたり、ティーマはどんな場面にもふさわしいテーブルセッティングを可能にする無限の可能性を持っています。
 
多機能なアイテムを単体でも、組み合わせても、それぞれの家庭のニーズに合わせて使えるようにするというカイ・フランクの考え方は70年の間にライフスタイルや食生活が変わるなか、流行に左右されることはありませんでした。この北欧デザインの象徴は、デザインと背景にある哲学によって、常に次の世代にその良さが見直され続けているのです。